オリジナル家具・金物の上手工作所

上手工作所の商品とその後のストーリー。

納品したアイテムの経年による魅力をお伝えしたいとその後を取材、
お店づくりへの思いなどのお話を聞かせていただきます。

約70年の歴史がある老舗紅茶専門店 MUSICA TEA(ムジカティ)
2019年7月に芦屋にOPENされた Tea Saloon MUSICAを訪ねました。

「紅茶をポットで提供する」というサービスを日本で初めて行なったのがなんとこのムジカティーだったとか。
紅茶好きならば、知る人ぞ知るお店でもあります。原産国から直輸入した茶葉を店主自らが厳選し、
日常的に楽しめる紅茶を提供されています。

お店のある「旧宮塚町住宅」は石造りの低層団地物件。
戦後間もない頃の石造りの公営住宅はとても珍しく、登録有形文化財に指定されています。
取り壊しの声もありましたが、市民を中心に保存活動が行われ、
物づくりをしている人を対象としてテナントや入居者を募集したという物件です。

紅茶のパッケージがずらりとディスプレイされた店内はテーブル席とカウンター席があり、ジャズが流れる心地いい空間。
納品したのは奥のテーブルとサインや金物類、お店のオープンから約3年が経過しています。

話をうかがったのはムジカティー代表 堀江勇真さん。
祖父にあたる初代代表が音楽喫茶としてお店をスタート、その後紅茶専門店としてリニューアルした2代目の意思を引き継ぎ、
現在3代目として紅茶の魅力を発信されています。

初代が堂島でお店をオープンし61年間営業された後、2013年にティーサロンは惜しまれつつ閉店。
紅茶の製造販売業のみに特化される予定だった矢先、創業された時代と時を同じくして建てられた「旧宮塚町住宅」の募集が重なったそうです。
ティーサロンの復活を願う愛好家の方々の後押しもあり、引き寄せられるようにお店の計画が進んだのだそう。

-上手工作所の家具を選ばれた理由や家具のお手入れについて教えてください。

堀江さん 内装工事を担当するスタッフからお店を紹介してもらって、ショールームに行って自分の好みとお店の雰囲気で選びました。
テーブルは材料にこだわったとかではなく、サイズ感がちょうど良かったので現物を見てその場で決めました。
お手入れは特別なことはなく、水拭きをしているだけです。お店の家具って、使ってるうちにそれなりにまた味が出てくるんで。

-いや、ほんとにツヤが増して、輪ジミもいい味わいになっていますね。
このテーブルは浮造り(うづくり)が特徴で、表面に凹凸があるので一般家庭では人気がなかったりするのですが、
このお店にはとてもマッチしています。素地を活かしたオイル塗装で、こんなにツヤが出てきているのですね。
可愛がっていただき、ありがとうございます。まだまだ途中経過ですが、お店と一緒に歴史を重ねていっているということが嬉しいです。


-ムジカさんのお店や紅茶については、どんな思いがありますか?

堀江さん 基本的には、楽しくお茶を飲んでもらえたらと思っていて、お茶を販売していますけど、
2代目の紅茶を広めたいという思いがありまして美味しいお茶を提供してくれるお店が、一つでも増えたらいいなという思いでやっています。
コーヒー屋さんはなんぼでもあるんです。
あなたもコーヒーと紅茶、どっちをよく飲みますか?

-どきり! コーヒーですね。

堀江さん そうでしょう。ほんと、そうなんですよ。
紅茶って本当に飲む人が少なくて、なおかつ美味しく飲める店も少ないんです。
うちのお店でもコーヒーをずっと飲まれてた方が、ここで紅茶を飲んで「紅茶ってこんなに美味しいのか。」
と紅茶にはまる人もいらっしゃるぐらいです。ここは言ったら喫茶店ですけどショールームみたいなもんですよ。
紅茶を飲んで感激してもらって日常に紅茶が根付いたらなという思いがあります。
紅茶好きの人って基本、お店では紅茶を飲んでないんです。結局お金を払って美味しくないものが出てくるよりも、
お家で自分で買ったものを入れた方が美味しいという方が多いんです。

-頂いたお茶は渋みがきいていますね。

堀江さん そうですね。お出ししたものは渋みがあるものをブレンドしているので、そんな味になります。
渋みは嫌煙されがちで、苦手ですか?

-いえ、緑茶に近い味わいで美味しいです。ただ、想像以上の渋みが意外でした。

堀江さん そこが紅茶の醍醐味でもあって、逆にそこを削られてるっていうのが世間で出されてる紅茶ですよね。
もう紅茶の茶葉のね、本来の味わいを全部知ってもらいたいというところがあるので、茶葉を入れっぱなしで楽しむというのが基本ですね。
急須でお茶を入れてる人だったら、お茶の渋みもありますし。
紅茶も本当にいろいろと、うちだけでも40種類以上あってそれぞれ味も香りも違うんです。
ただ、難しく言う方もいるんですけど、難しくしてしまったら嫌煙されてしまうので。
そうじゃなくって、本当に簡単に手軽に入れてもらえるってことを知ってもらいたいんです。

-なるほど、紅茶の考え方が変わって興味深いお話です。

美味しい紅茶の入れ方については、ムジカさんのホームページで紹介されていますので、そちらも参照ください。
>ムジカティー代表 堀江 勇真による「おいしい紅茶の入れ方」動画講座

キッチンにはたくさんのティーポットが並ぶ

レジ横で使われているスリムブラケット

木と鉄のトイレサイン

Tea Saloon MUSICA(喫茶/カフェ)

ムジカティ
1952年創業、約70年の歴史がある紅茶専門店。
日本で初めて本格的なポットサービスを提供したお店です。
日常を豊かにする紅茶を目指し、毎日気軽に飲める紅茶から、特別に厳選された紅茶まで幅広く扱われています。
芦屋市精道町には紅茶の販売店がある他、神戸元町にもTea House MUSICA 神戸元町があります。

兵庫県芦屋市宮塚町12-24 旧宮塚町住宅 1階

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