第4回 銘木の世界「ケヤキの玉杢 」
目利き歴50年の西岡氏が推奨する「銘木」の世界をシリーズでご紹介。
今回は上手工作所(JOZU+)内で展示している、西岡氏が見立てた「ケヤキの玉杢」が現れる貴重な銘木をご紹介します。

西岡氏の紹介については >前回記事 第1回 銘木の世界「目利き歴50年の西岡氏について」をご参照ください。
欅(ケヤキ)は耐久性、耐湿性などに優れており、良材の誉れ高い日本の広葉樹を代表する木の一つです。
そしてその中でも特に希少性が高く、独特な美しさと自然の迫力を感じることができる「玉杢」(たまもく)が現れるものがあります。
この「玉杢」が現れる可能性は10万本に1本とも言われ、
一軒家が経つほどの価格になるものもあり、今でも驚くほどの高値で取引きされています。
玉杢(たまもく)とは
樹木の表皮に近い部分切る際に現れることがある、円形の模様を玉杢(たまもく)と呼びます。
杢(もく)には縮み杢、鳥眼杢‥など数多くの種類があり
杢目の模様は、傷や気象などが影響して年輪が変化することで発生します。
また、同じ樹種でも木取りをする場所が違うと、異なる杢目が現れます。
希少価値が高いものは、高値で取引されるものもあります。
玉杢が現れる理由は、今でも明確にはなっていませんが
樹齢を重ねた老木になるほど現れやすく、若い木では表面だけに表れ、芯に近い部分では見られなくなるという特徴があります。
製材してみないとわからない為、見極めて仕入れることが難しい材料です。

ケヤキの玉杢

西岡氏と玉杢の天板
「昔は玉杢といえば、高価すぎて入札でしか買えなくて、木材商や銘木商が保証金を支払った上で、
ようやく札をもらえて取引ができるというものでした。
そもそも玉杢が出るようなケヤキは木筋が全く違う。目も細かくて格が違うんです。」と語る西岡氏。
床の間の素材や、様々な建築の内装材、建具の仕上げとしても人気がありましたが
和室が減り、日本の建築様式が洋風になるにつれ、かつてほどの需要がなくなりました。
価格は下がってはいますが、材料の流通や加工する技術を持つ職人が減っているため
その価値は今も高いままです。

玉杢の出方にも個性がある

自然が作りだす唯一無二の模様
「戦後間もない、私の父の代から人気はあって、玉杢ひとつにつき、いくらというように勘定してましたね。
買ってほしいけれど、売れてしまったら次はないので、本当に貴重な存在ですね。
昔は単板として利用されていて、今は用途が変わっているかもしれないけれど、価値がわかる人にはわかるものです。
新たな使い方で次の生命を与えていきたいですね。」と西岡氏。
さらに貴重な神代欅(ジンダイケヤキ)の玉杢
これはもう、奇跡のような材。
さらに貴重な神代欅に玉杢が現れた天板。
神代とは、約1000年~2000年もの間、腐らずに土や川の中に埋まって、地中の成分などの作用によって変色した木のことを言います。
見た目は黒褐色などの濃い色合いになっていることが特徴で、多くは道路建設や河川改修などの工事の際に出土した埋もれ木です。
樹種が欅であれば神代欅、楢であれば神代楢、栗であれば神代栗と呼ばれます。
まるで、時空を超えてやってきたようなロマンを感じる銘木です。
たたでさえ価値の高い神代のケヤキで、さらに玉杢のある材となれば
一般人が目にすることができただろうか。と驚くぐらいの価値の高い天板です。

落ち着いた色味に玉杢がいっそう、際立っています

神が宿るかのごとく神秘的な存在感を感じます
神大木は人工的にはつくることができず、生成過程や発掘、発見される過程も偶然によるものが大きいことから、
「神様の時代から眠り続けていた木」という意味から神代と呼ばれるようになったと言われています。
途方もない年月を地中で過ごしてきた木。
自然が作り出すその灰色掛かった風合いは、私たちに自然の偉大さを感じさせてくれます。
そして、奇跡のような美しい玉杢。
まるで遺跡を眺めているような気分です。
いろんな方に知ってほしいけれど、この場からなくなってほしくない。
そんな貴重な天板をご紹介しました。

銘木が並ぶ、JOZU+の2F展示スペース

家具だけなく什器や看板にもお使いいただけます
ぜひ、店頭で実際に手に触れて木の迫力をお確かめください。