オリジナル家具・金物の上手工作所

上手工作所の商品とその後のストーリー。

納品したアイテムの経年による魅力をお伝えしたいとその後を取材、
オーナーの思いなどを交えてお話を聞かせていただきます。

大阪のビジネスの中心地にありつつも豊かな緑が広がる靱公園。
そこからほど近い、古いビルの一角にあるOffice musubi(オフィスムスビ)さん。
2017年に家具や金物を納品し、約7年が経過しています。

今回、写真を撮影させて頂いたのは、
お茶室とキッチンを含む15坪ほどのオフィス空間。
日本の「食」と「食文化」を世界へ正しく発信したい。というオーナーの想いが形になり、
海外からのゲストをもてなす工夫が随所にみられる魅力的なスペースとなっていました。

お話を伺ったのは、代表を務める鈴木裕子さん。
食×マーケティングを軸に、海外と日本を行き来しながら、老舗食品会社の海外販路開拓や情報発信、
「食で街を活性化したい」といった行政からの依頼や、商品企画にも携わられています。
大阪梅田では「食」で起業・チャレンジする人を応援するための施設「OSAKA FOOD LAB」を阪急電鉄さんと共同で運営されています。


-上手工作所に家具をオーダーされたきっかけは何でしたか。

鈴木さん 共通の知人や、工事を担当してくださった設計士さんとのつながりもあったのですが
代表の徳田さんがとあるイベントで受注もしていないのに、
キッチンカーを作って来られたことがあって、しかもその完成度が素晴らしかったんです。
作っちゃったんだ!面白い方だなぁ。って。
設計士さんと一緒にご飯を食べたりしながら、打ち合わせのやりとりや、ものづくりの進め方も面白そうで
いつか何かをお願いする機会があればこういう方々にお願いすれば、
ちょっと違う世界が見えるかもしれないと感じたことがきっかけですね。

設計を担当されたのはmuura [ムーラ] さん。JOZU+の設計にも携わっていただいています。


-どんなことを要望されたのですか?

鈴木さん まずお茶室とキッチンを入れたいという話だけをしました。
日本人が来たら日本らしさを感じられて、かつ、海外の方が来てアウェー感を感じないように、
ちょっと荒削りなインダストリアル感を加えてバランスを取ってほしいとリクエストしました。

茶室は本格的な造りなんですが、正座ではなくてイスに腰かけてもらう仕様だったり、
ここで長い時間を過ごしてもらっても苦にならないような空間を目指しました。

取引先の社長達は男性も多いのですが、女性的な空間では居心地悪いかもしれませんが、
この空間は皆さん面白がってくださって、プロに任せる心地よさを知りました。

-なるほど!プロに任せたことが良かったのですね!
和の空間に上手工作所の家具がとても馴染んでいます。

壁面に設置されたBOUシステムの什器
茶道具が並び、和のしつらえに違和感なく溶け込んでいます

楠のテーブルとチェア、そして手前のキッチンの鉄ハンドルも
上手工作所のアイテム、インダストリアルでラフな雰囲気に


-楠のテーブルは独特な雰囲気がありますね。大きく反りがありますが、こちらはもともとそうでしたか?

鈴木さん はい。もともとそうでした。
山の中で何年か眠り、奇跡的に出てきたという縁起のいい天板で、最初は通路を確保するように2つにカットしてほしい。
なんて恐ろしいことを言っていたのですが「貴重な材なのにとんでもない、この形のままで使ってほしい。」と徳田さんに言われて
形を変えずに壁にぴったりくっつける間取りにしました。
そのことが結果的に、良かったですね。
すっごく気に入っていて、なでなでしたり、みんなここで落ち着いています。


-天板のシミなどが特にいいですね。ツヤもあり月日を重ねた魅力が増しています。

鈴木さん 飲みこぼしや油の後など、もう、誰だろう?って思うんですけどね。(笑)
それも含めてよい雰囲気になっていますね。
最初は汚れないようにシートをかぶせたりもしていたのですが、いい風合いなのに、もったいなくて外したんです。

-まさにこんな事例が見たかった!というほど、エイジングにより迫力が増しています。
荒々しい質感のラフな仕上げも良かったのか、油ジミも模様のようですね。

使い込まれて、手触りもなめらかに
テーブルもイスもツヤが増している

ゆがんでいる天板は一般的には人気がないが
「個性」があり、木の面白さが感じられる

根の近くのため複雑な断面は、あえて木裏を上に
削らず風合いを活かした仕上げが経年により豊かに

側面も材の個性を活かしてラフな仕上がりに
茶室の有機的な素材と質感が揃っている


-続いて、ご自身のサービスについて伺います。
起業されたのはどんなことがきっかけですか?

鈴木さん 日本の食は素晴らしいと思っていて、
それを世界に正しく伝えたいと思って、13年前に起業したんです。
日本の食が世界的に注目されている一方、日本から正しく伝えるということ、マーケティングの視点が欠けているなということを感じていて
最初は創業600年の味噌屋とか100年の昆布屋と個別に契約するところから始まりました。

老舗は日本国内だと動きが取りづらかったりする。
一方、海外での需要はある。ならば輸出し、「外から内を見る」ことで社長達もゼロ視点で自社の魅力や課題を見ることができるんです。

「あなたはどこのだれですか?」というところからスタートしますし
「わかめとこんぶの違いは何ですか?」「切ったらだしが出ることが違いですか?」
ということも、ピュアにアメリカ人から聞かれると案外誰も答えられなかったりして、
外から見る。ということが大事なだな。ということに気が付きましたね。


-自分達が良いと思うものを伝えるには何を理解してもらうことが大切なのか?という、客観的な視点が大事ですね。

ベンチ式の茶室、正座になれない海外ゲストはお茶に集中でき、お軸があることや花を飾ることの意味などお茶会の本質を知ることができ、喜ばれるそう。

井戸のパーツを使った、トイレ内の手洗い。
遊び心のあるチョイスが楽しい。


鈴木さん 販路についても、オンリーワンになるように日系の商社じゃなくて、
あえて大変な現地の商社を探し、シェフや消費者に使ってもらいたい。と思ってスタートしました。

現地のシェフや消費者に使ってもらって、メディアにも取り上げてもらって話題になる。
それを日本に「逆輸入」という形で価値を再発見してもらうといった流れをつくってきました。

会社を立ち上げてから5年くらいは食品会社さんとのお仕事を中心にさせてもらって、
次の段階として「OSAKA FOOD LAB」の取り組みが始まりましたね。

OSAKA FOOD LABは、日本初フードビジネスインキュベーターとして開設しました。
“食の実験場”として、フードビジネスの挑戦者を様々な形で支援している。
飲食店を開業したい人や新たなビジネスアイデアを試したい人、
地域の食の魅力を打ち出したい行政や海外の大使館など、多くの方がこの場所を使って実験を展開しています。

欧米では「インキュベーション」というと通じやすいのですが、
日本ではまだ当時新たなアイデアを試す場所といったところが少なくて…。

-「インキュベーション」(直訳は孵化、卵をかえす)確かになじみのないワードですが、
この言葉や考え方が日本でも一般的になればいいですね。

鈴木さん 挑戦には失敗がつきものですよね。この実験場があることで、
失敗を恐れず新たなことにチャレンジする人が増えたらいいなと。
そしてそれが日本の食の未来をつくっていく一助になれば、そんな想いで運営しています。

OSAKA FOOD LABとは
阪急高架下、梅田駅と中津駅の間に位置する”食の実験場”。
プロ仕様のキッチン設備付き空間を活用して、アイデアや思いをカタチにできる場所。
主催:阪急電鉄株式会社
企画運営:株式会社Office musubi
食で起業したい人たちを支援し、結果17組以上が卒業、起業や開業などその後の展開に繋がっている場。
今後は更に多くの刺激や交流を生み出すべく、個人への支援から、空間全体を活用した独特のチャレンジがひしめくオリジナルマーケットの場へと移行しています。
https://www.osakafoodlab.com


-大切なことに気づくための、実験の場って必要ですね。
軽快なテンポでお話を聞かせていただきながらも、お部屋の雰囲気とお茶を頂いて
まったりと時間が過ぎ、居心地のいい空間でした。
鈴木さん、ありがとうございました。


フォトギャラリーと上手工作所のアイテム紹介


BOUシステムの什器


黒皮が剥がれることもなく、7年の月日を感じさせない


ボーラーハット型のシェードのランプ(鉄)


楠のテーブルと【SOU】チェア(ラウンド)


【SOU】杉 ハイスツール


ボーラーハット型のシェードのランプ(真鍮)


黒皮鉄のブラケット※廃盤商品【2wayブラケット】


黒皮鉄の照明※廃盤商品

株式会社Office musubi

日本と海外を行き来しながら、食品の海外販路開拓、老舗会社の事業継承支援、商品企画や店舗プロデュースなど、
食に関わる人たちが活躍するための“舞台づくり”“仕組みづくり”をされています。
日本の食の魅力を世界に発信するためNetflixなど海外メディアと連携した情報発信活動も展開。
お店を開きたいという個人から、行政までさまざまな顧客に対応されています。

HP:https://o-musubi.net/

> 納品アイテム一覧はコチラ