オリジナル家具・金物の上手工作所

木くずが舞う上手工作所の工場にて
作り手自身に商品の魅力を聞いてみました。

木工チームの円地さん。
上手工作所では、家具の製作など木工の力仕事を担うスタッフです。

前職は住宅関連の会社で、アフターメンテナンスの業務を担当。
訪問したお宅で、上手工作所のアイテムに触れる機会が多くあり
そこで商品の魅力を感じたことが入社のきっかけになったのだとか。

そんな円地さんが推しというのは、杉のバックキッチン収納。

地場の杉を使用し、節や木目など素材感を活かした仕上げが特徴のキッチン収納。
実店舗で展示販売している人気商品です。

木の「地産地消」
面材は杉、内部にはヒノキを使い地元、豊能町にある山本林業さんの
材を作ったキッチン収納。

近郊で伐採された木を一本の丸太ごと仕入れ
板状に製材された後、乾燥や加工は自社で行っています。

鋸目(のこめ)を残したラフな質感が魅力

1本の丸太から仕入れた地場の杉を活用

Q.作り手が感じるこの商品の魅力とは?

円地さん 「杉」を使った「和モダン」な印象が特徴的ですね。
杉はフローリングや建材などにはよく使われますが
キッチンの面材などではあまりみかけない、オーク材とか木目に特徴が少ないものが多いと思います。
そこに、取っ手やつまみなど鉄や真鍮の金物が組み合わさって、うまく和モダンなイメージになっていると思います。

前職で伺ったお宅でもこのキッチン収納をみかけることがあって
「杉」という材料が印象深かったですね。

また、見えない部分もしっかり作っていて
引き出しの底板はヒノキを使った合板で、厚みが9ミリもあるんですよ。
通常であれば4ミリくらいです。

前職のアフターメンテナンスでは、底板が外れたから直してほしい。という要望もありました。
食器が直せないから、すぐに直してほしい。って、これはけっこう困りますよね。

また、ここが上手工作所ならではの推しの部分なんですが
引き出し自体をヒノキの無垢材で作っているんです。
大手メーカーのキッチン収納の引き出しはポリ合板で作られているのがほとんど。
引き出しは見えないから、低予算で掃除もしやすいポリ合板で作るのが一般的です。
そこをあえてヒノキの無垢で作っています。

ヒノキの引き出しパーツを加工する円地さん

ヒノキの無垢材を使った引き出し

ヒノキは香りがよくて、湿気に強い。
その良さを活かすために無塗装で仕上げています。
通常は高級な家具にしか、使わないんですよ。

費用がかかりすぎるので、大手メーカーのキッチン収納ではできない事です。
山本林業さんで仕入れ、自社で乾燥、手入れをしているからこそ可能なんですよね。

Q.どういったところが大変ですか?

円地さん 面材の柄を合わせて、1枚の板のようにみせることですね。
揃えることがなかなか難しいです。

また、1本の丸太から加工しているので材料の管理が大変です。
十分に乾燥させて使いやすい材料になるまでに時間がかかります。
含水率を時々測って、ちょうどいい具合を見極めたり
板が割れずに、乾きやすいように並べたり、風が強い時は倒れたりもするので
想像以上に手間ひまがかかります。

乾燥にかかる時間は季節によっても違いますし、どの程度ストックしておくか。
ということを考えながらなので、たくさんオーダーいただいても対応できないことが大変ですね。

最近は林業をする人が減って、木も細くなり太い丸太を仕入れることも難しくなってきています。
それでも、自分達にしかできないモノづくりだからこそ、価値がありますね。

上手工作所本店の外壁に張られた板も山本林業さんの杉。
弊社代表がここ豊能町に移転する際に、地場の材料を使ってものづくりをすると決めて、最初に声をかけたのだとか。
その想いが実現して製品となったのがこのキッチンなんだと聞いて、大変だけれどよりお客さんに届けていきたい。と思いました。

豊能町にある山本林業さん(上手工作所から車で約5分)

乾燥を待つ杉やヒノキの板

機械ではなく、自然の力でゆっくりと乾燥させる

測定器を使って含水率を定期的に測る作業

上手工作所、本店の外壁に張られた山本林業さんの杉の板

家具だけではなく小物に加工することで、貴重な材料を最後まで使い切ります

Q.どんな作業が好きですか?

円地さん 天板を磨いたり、木工ではもくもくと作業をすることもありますが
キッチン収納の製作は、サイズを決めて収まりを考えたり、次にどんな作業をするのか
考えながら作っていくので、それが面白くて自分には合っていますね。
面材の木目が揃った時は嬉しいです。

フレームを組む作業

次の工程を考えながらの作業

Q.やりがいを感じるのはどんな時ですか?

円地さん 自分が作ったキッチン収納をお届けした時ですね。
近郊のお客様には納品までさせていただいます。
恥ずかしいので、自分が作ったとは言わないのですが
それでも他の家具と比べて、キッチン収納はお客さんが一番いい反応をしてくださっていると思います。

BOUシステムと組み合わせた事例

吊り戸も同じ杉材で再作(納品後にお客様からいただいた写真)

紹介したアイテム

<プランニング>杉のバックキッチン収納

1,000円(税込1,100円)~

地場の杉を使用し、節や木目など素材感を活かした仕上げが特徴のキッチン収納。
実店舗で展示販売している人気商品。
オンラインショップからもお申し込みが可能。

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