オリジナル家具・金物の上手工作所

じょうずの手しごと 第4話は、照明【kuroden】(クロデン)のリニューアルについてです。

※【kuroden】とは、上手工作所の照明のブランド名です。
詳しくは-じょうずの手しごと(第3話)- 【kuroden】のこれまでと、これからをご参照ください。

上手工作所の工場では、幅広い年代のスタッフが働いています。
ベテラン職人と若いスタッフが技を磨き、アイデアを出し合い、一緒にものづくりをしています。
【kuroden】もそんな環境の中で進化してきました。

そして2023年の春、大きくリニューアル。
始まりは、商品のデザインを見直すこと。
そこに展示会出展が決まり、流れは急展開。
課題が次々に出てくる中で、リニューアルは進みました。
工場スタッフの大沼さんと眞鍋さんに話を聞きました。


笑顔がステキな大沼さん。


頼れるお姉さんの眞鍋さん。


ー今回リニューアルした【kuroden】の特徴はなんですか?

大沼:座のパーツを変えると、壁付けを天吊りにできたり、別のシチュエーションに対応できることですね。
シチュエーションを変えて使えるのは、金物の【BOU】シリーズがベースにあります。
【BOU】はパーツがいっぱいあって、パーツを変えるとあんな形にもこんな形にもなる商品。
ひとつのパーツをあっちにもこっちにも使えたりする。
パーツを活用するのも、上手工作所の多くの商品に共通する特徴ですね。
そして【kuroden】は元々、【BOU】シリーズのパーツでもあったんです。
その特徴を引き継いで、【kuroden】も最終形がない「未完成な照明」です。

▼(例)ウォールライト GiantBELL。パーツを変えて壁付けにも天井付けにもできる▼


座タイプ:丸ブラケット


座タイプ:アングルブラケット


座タイプ:KAKUブラケット


座タイプ:天井付けブラケット

ー細かいパーツも社内で作ってるのですか?

大沼:そうです。細かいパーツにこそ、いろんな工夫が詰まっているんですよ。
既存のパーツには今までのスタッフのアイデアと経験が活かされています。
今回のリニューアルでも新しいパーツをたくさん作りましたが、動く仕組みが難しいことを実感しましたね。
動かせても止まらないといけないし、強度も必要です。
社長や電気工事スタッフ、木工や鉄工スタッフ、時には事務所スタッフとも相談しながら何度も試作しました。

▼木製の台に直接アイデアを書き込みながらディスカッションすることも▼

ー旧商品に比べて、かなりスッキリした商品もありますね。

大沼:機能を求めた結果、いらないものが無くなりました。
使う人がこのライトで何を照らすのかを想定し、その仕事ができる仕様を考えます。
【ロクロック】は作業灯のイメージですが、実際には色々な使い方ができると思うんです。
どう使われるかを想定しながら、シーンに合わせて角度を変えやすいように、紆余曲折を経てこの形になりました。


ワークライト【ロクロック】(鉄)-木製アーム-


ワークライト 【ロクロック】(真鍮) -真鍮アーム-

眞鍋:大沼さんは目的を重視して、機能を第一に考えてますね。
強度をどう保つかがとても難しかったですが、機能を求めた結果よりシンプルになって、カッコよく見えるのかも知れません。

大沼:「機能美」ですね。
上手工作所で作るものには共通して言えると思います。

ー試作する中で悩んだり迷ったりしたときはどうやって解決しましたか?

大沼:商品の見た目や仕様については社長に相談しました。
木でも鉄でも真鍮でも素材の特性をよく知っていて、現場の経験も多いので、
ビスの穴位置ひとつ決めるのも「これは打ちにくい」とか、「こうした方が現場でつけやすい」とかアドバイスをもらえます。
細かいことですが現場で取り付けをする人にはとても重要で、現場に行かないと気づけない。
電気工事の経験が豊富なベテランスタッフもいて、現場での配線処理の仕方などリアルな話が聞けます。
実際に現場で施工する人の声を反映して改良することで、より設置しやすくなったと思います。

眞鍋:試作中は予想外のハプニングがあったり、課題が一気に出てきたり、悩みすぎて全く進まない日もありました。
一人で考えてもなかなか解決しない時は、他の部署のスタッフにも相談したりします。
全く思いつかなかったアイデアをポンッと出してくれて、「え、もう解決したやん!」ってなる時もあります。
社長や工場スタッフのアドバイス、店舗スタッフの「製作ではない側」の想いや、いろんな意見があって今回リニューアルできたんだと思っています。

大沼:木工も鉄工も同じ工場内にあるので、相談しやすい環境です。
それぞれのプロがいるので心強いですね。
何かを決める必要がある時も、会社のトップである社長にすぐに確認できるのでスピーディーです。
社長との距離が近いのは小さい会社ならではのメリットだと思います。

ー【kuroden】はこれからどうなっていきますか?

大沼:発売したら終わりではなくて、ここはこうした方がいいんじゃないかとか考え続けています。
他の商品を作っているときも「これはkurodenにいかせるんじゃないか」とか。
これからまだまだ進化し続けないといけないと思っています。


数々の課題をクリアし、2月に東京ビッグサイトで開かれた展示会では多くのお客様にお披露目することができました。

ベテラン職人の知識と技術、現場の経験、そして使う人を想う作り手のこだわりがカタチになった、新【kuroden】。
これからの進化も楽しみです。

–じょうずの手しごと(第3話)- 【kuroden】のこれまでと、これから

この春、大きくリニューアルして新商品も続々誕生している照明、【kuroden】(クロデン)。
オンラインショップでも人気の商品です。
この【kuroden】に誰よりも愛情を注いでいるのが、弊社代表の徳田です。
【kuroden】のこれまでと、これからについて話をきいてみました。
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