オリジナル家具・金物の上手工作所

この春、大きくリニューアルして新商品も続々誕生している照明、【kuroden】(クロデン)。
オンラインショップでも人気の商品です。

この【kuroden】に誰よりも愛情を注いでいるのが、弊社代表の徳田です。
【kuroden】のこれまでと、これからについて話をきいてみました。


ー【kuroden】はいつ始まりましたか?

徳田:2015年だったかな。1月の仕事始めの時に、1年の目標を決めようとなって。
何にしようって考えた時に、「そうや、照明や!」と閃いたんです。
その前からずっとやりたいとは思ってたんですよ。
建築金物でオモシロイものってなると、照明は外せない。
それで、「今年は照明をやる!」と宣言しました。
【kuroden】というブランド名もその場で即決です。

ー発売当初から、【kuroden】はどう変わりましたか?

徳田:発売した頃は、問屋さんからシェードを仕入れてきて、オリジナル感を出すために釜で焼いて、パーツも塗装して…
そんな感じでスタートしました。

そこから、もっと付加価値をつけるために色々やりましたよ。
シェードを焼くだけでは面白くないからアートを足そうってことで、やってみたのが【KUEODEN toeto】。

東大阪に工場があった頃、うちの会社で作家さんや建築屋さんや、いろんな人たちが集まってトークショーをしてたんです。月に1回くらいね。
【KUEODEN toeto】はそのつながりで始まったプロダクトで、デザイナーの中川さん(muura)、アート作家の中島麦さん、上手工作所の共作です。


【KURODEN toeto】シリーズ 2016年/廃番

徳田:「BOU 天吊ハンガー」という商品があって、それと照明を合わせた商品も作りました。
「BOU」は元々、ラックとかパーテーションになる自由な感じの商品。
それと、「kinsei」っていう超スポットの照明と組み合わせたりしてね。
金星ってわかる? 夜明け前に、月の横でピカーっと光ってるのが金星。
まさにそんな感じやったから、名前も「kinsei」。懐かしいですね。


【BOU】×【クロデン】ブラケットライトD(Kinsei) 2017年/廃番


【BOU】×【クロデン】シーリングライトB(Kinsei) 2017年/廃番

徳田:設置の仕方や動きも色々試しましたね。チェーンでぶら下げるとか、留めるとか、挿すとか。
もっとオリジナル性を出したくて、色々考えて作ったパーツが「ドリーム」。夢のパーツです。
みんなは「サーカス」って呼んでるけど。
このパーツひとつで色々な動きが可能になったんです。


サーカス(ドリーム)


好きな位置や角度で固定できる「サーカス」は、新商品にも採用されている。

ー今は「ヘラ絞り」のシェードが使われていますね。

徳田:色々試しているうちに、もっともっと上手工作所らしさを出したくなってきたんですよ。
それで金物屋さんにオリジナルのシェードを作れないか相談に行ったとき、「ヘラ絞り」の金型を見せてもらいました。
「ヘラ絞り」は職人さんが一つずつ手作りでつくる技法なんですが、時代に合わなくなって職人も減っているそうで、
金型も長らく使われることなく置いたままになってたんですね。
この金型だったら使ってもいいと言ってくれたので、ありがたく使わせてもらうことにしました。
数種類を試作して、改良して、最初にできたのが「BOWLER」です。
それから「BELL」と「HOLY」も加わって、今の金物シェードのラインナップになりました。

▼ヘラ絞りの様子▼

▼ヘラ絞りのシェードを使った照明▼


BOWLER 2017年〜


BELL 2019年〜


HOLY 2019年〜

ー今回リニューアルした【kuroden】の特徴はなんですか?

徳田:パーツを組み替えて、いろんなシチュエーションで使えることですね。
他社の照明は、売ってる時点で完成してるでしょう。
でも【kuroden】は完成していない、未完成な照明です。
パーツを組み替えると、別のものになるから。
照明だけど、照明だけではないものにもなれると思うんです。
制約はあると思いますが、クリアしていきたいです。

ー【kuroden】はこれからどうなっていきますか?

徳田:今はネットの時代で、上手工作所もネット販売がメインですが何が起こるかわからない。
今の【kuroden】が5年先に売れるかも分からない。
私は会社は「水」であるべきと思ってます。時代の変化に合わせて水のように形を変えないといけない。
語弊があるかもしれないけど、スクラップ&ビルドで、どんどん形を変えていく。
スタッフには「やめてください」と言われてますけどね。笑
時代に適したものをスピーディーに作っていきたいし、それができる会社でありたいと思ってます。

うん、【kuroden】はやっぱり未完成な照明であって欲しいね。
未完成なら形を変えていけるから。
それならこれからも戦っていけると思ってます。


発売から約8年、色々な人と繋がり、様々なチャレンジを経て今の【kuroden】になったこと。
諸々の裏話も含めて知らなかったストーリーが見えてきて、【kuroden】との距離が縮まった気がしました。

-じょうずの手しごと(第4話)-【kuroden】リニューアルへの挑戦

じょうずの手しごと 第4話は、照明【kuroden】(クロデン)のリニューアルについてです。
上手工作所の工場では、幅広い年代のスタッフが働いています。
ベテラン職人と若いスタッフが技を磨き、アイデアを出し合い、一緒にものづくりをしています。
【kuroden】もそんな環境の中で進化してきました。
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